子どもが育つ“父親術” 第131号(2009/10/30)
◇◆ パパの子育てとは ◆◇
前号の中で「父親の活躍のチャンスが大きい部分」という記述をしたためか、
『父親の活躍しどころって?』
『自分はどんな場面で育児・家事に協力できるのでしょうか?』
などのご質問をいくつかいただきました。
今号は、そのご質問へのご回答を兼ねてお届けします。
まず最初に読者の皆さんにお尋ねします。
“父親の子育て”“父親ならではの育児”というと、具体的にはどのような
内容のことだと思われますか?
─木登り・自転車・虫捕り・野球などの、屋外活動や運動・スポーツ類を、
子どもに教えたり、一緒に楽しんだりすること
─社会の決まりを教える、躾をするなど
─DIY関連(家の物を直したり、組み立て家具を組み上げたり)などの、
技術的なことを教えたり、子どもに体験させること
私の周辺で聞いてみたところ、上記のような答えが出てきました。
これらはいずれも、『傾向的』『確率的』には、たぶん正解なのだと
思います。
別の言い方をすると、世の中の多くの家庭の中には、上記の役割を父親が
担っている家庭が、傾向的・確率的には多いのだろう、ということ。
既にお分かりと思いますが、個々の家庭のことを考えるときには、この
『傾向』『確率』は限りなく無意味。
個々の家庭には、
『○○と△△が得意な父親が一人』と、
『××と□□が得意な母親が一人』しか存在しません。
この点、前号の記述で誤解をしてしまった方がいたら、ごめんなさい。
私の意図はあくまでも「3,000人の読者の中には、(確率的に)ルールを
決めるコミュニケーションを担う役割が得意な方も多いのでは」というもの。
「どの家庭でも、父親の方が担うべき役割だ」という意味ではありません
ので、改めてご理解いただければうれしいです。
さて、個々の家庭には得意分野の違う親がいたり、親以外の祖父母なども
身近にいたりいなかったりする中で、『役割』を考えるとすると、
私の考えは単純で明確です。
─できることを、できる人が、できる時にやる。
これが基本であり、かつ最善の方針。そこに「父」「母」の性別の違いは
ありません。
(違いがあるのは出産と授乳だけ。ある意味で非常に大きな違いではありますが…)
必要だから、やる。自分ができるから、やる。必要だけど誰もできないと
思ったなら、相対比較で良いので、できそうな人が、やる。
世の中の偏見に釣られて、自分にできることをやらなくなってしまったり、
「今はできないけど、やってみたらできるようになるかもしれないこと」に
チャレンジしなくなってしまうのは、なんとも惜しいです。
また、すべてが家庭の中だけで片付かなくても良いのです。
人手を借りるのも、大いに結構。
そうして、無事に1日生活することができたなら、その時に担当したものが
「その家庭での、その日時点での役割」というだけの話。
誰がいつどこで手が空いているかは状況次第ですし、さらに言えば人のできる
こと・得意なことだって、変化してもおかしくないもの。
あらかじめ「××は誰の役割」と決めてしまえることは、本来、ほとんどない
はずです。
そもそも、日常の生活が無事に送れていること以上に望みすぎる必要は
ありません。
その上で余力があるならば、「子どもの興味・関心・意欲が、なるべく自然の
まま発揮できる環境」を用意してあげることは、心掛けても良いでしょう。
─子どもが虫を取りに行きたがるなら、得意な大人が連れて行ってあげて、
残った人が泥んこの服を洗濯する。
─本を読んでとせがむ時は、得意な人が読んであげて、その間に手が空く
人が食事の用意をしてしまう。
「パパの育児参加」「家事分担」という言葉・イメージの向こうの実態は、
こんなシンプルなものです。
もちろん“得意な人”は、父や母でも良いし、祖父母でも保育園仲間の
パパでも小学4年生のきょうだいでも構いません。
いずれにしても、それはただ単に『ちょうど得意な人が身近にいた』
という幸運に恵まれただけの話。
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余談ですが、「日常の生活が無事に送れている」ことの中に存在する
“役割”は、炊事や洗濯などの家事、子どもの世話と、必要なお金を稼いで
くるくらいしかありません。
もしかしたら、世の父親に足りないのは、子どもに「より良い教育」や
「貴重な体験」を提供することではないのかも知れません。
子どもと暮らす中で、日常的に発生する仕事の数々──「オムツを替えて
お尻のうんちを拭く」「子どもが食べ散らかしたテーブル・床を片付ける」
「なかなか寝付かない子どもを抱っこしてあやす」「子どもが風邪をひいて
夜中に吐いてしまったら布団の後始末をする」──などで、もっと貢献する
ことが先なのかも知れませんね。
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発行者:パパコーチ くろさわ
<プロフィール>
小学校3年生の息子と年長児の娘の父ちゃん。
息子誕生後、子どもと過ごす時間を確保すべく2002年に
育児休職(社内男性初)を取得。その後、育児時短勤務
(5時間/日、同じく社内男性初)→業務委託勤務(出社
義務なし)へと仕事の形態を変えて、現在は自宅を拠点に
自営業。
毎日15時〜21時を子どもと過ごす時間として確保し、地元
小学校では放課後になると校庭に現れる“サッカーおやじ”
として知られる。
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